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ACTIVITY COLUMN アクティビティコラム

幻の第一回大会「野呂山GRANDヒルクライム2022」

2022.12.12

皆さん、こんにちは!

スポワンKURE、サイクリングアンバサダーの斉藤です。

皆さんは野呂山(のろさん)をご存知ですか?

呉市内で最も高い839mの標高を誇り、瀬戸内海国立公園に指定されています。

眼下に「とびしま海道」を望む絶好のロケーション。

晴れた日は四国まで見渡せます。

瀬戸内海の魅力は何といっても多島美。

初めて見た人は、必ず感動する景色です。

昭和の高度成長期、この野呂山に「さざなみスカイライン」が整備され、

山頂付近には牧場遊園地やサーキットもあり、多くの来場者で賑わう一大リゾート地でした。

ところが昭和50年代後半になると客足は衰え、遊園地などの娯楽施設は閉鎖。

訪れる人は急速に減っていきました。

現在は野呂高原ロッジでのレストラン利用と宿泊がメインの来場理由となっていますが、

4年前の西日本豪雨災害で大動脈である登山道の一部が寸断され、現在も復旧工事中です。

災害で更に来場者数は激減し、行く末を案じたロッジ関係者は、

もう一度野呂山を元気にしたいと強く思うようになりました。

そこで企画されたのが「野呂山GRANDヒルクライム2022」

全長約9.7㎞ 高低差約710mのコースを自転車で駆け上がり、タイムを競う大会です。

近年サイクリング愛好家が増え、野呂山も多くのサイクリストに愛されるヒルクライムの聖地になっています。

このコースの魅力は、眼科に瀬戸内海の絶景を見下ろしながら上れるところ。

瀬戸内沿岸では800mを越える山が少ないので、それも人気の理由です。

これまで地元の自転車屋さんによるヒルクライムレースは開催されていましたが、

地域と連携し、最大300人の参加者を全国から募る大規模な大会は初開催です。

大会の特徴は、瀬戸内海国立公園で絶景を見下ろしながら行われる壮大なヒルクライム。

野呂山の雄大な自然を体いっぱいに感じながら登った後は、ロッジで提供されるイノシシのジビエ料理やレモン風呂を堪能できます。

魅力的な地元特産品が当たるジャンケン大会や、

ゲストライダーによるトークショーなど盛りだくさん!

野呂山を多くの人に知ってもらい、また何度も訪れていただける温かい大会を目指して企画されました。

私も実行委員会メンバーとして、企画運営に関わらせていただき、

全てが手探り状態で試行錯誤の連続でしたが、

初開催にも関わらず、全国から243名の方にお申し込みいただきました。

前日に行われた前夜祭では、野呂山と周辺地域の魅力をPRしたり、

ゲストライダーを交えたトークを楽しんでいただき、大いに盛り上がりました。

そうして迎えた大会当日。

スタッフは早朝、まだ暗いうちから準備を始めます。

ところがコースチェックに出た我々は愕然としました。

山頂付近、約2㎞以上にわたって道路を埋め尽くした大量の落ち葉!

夜中に吹いた強風により、一気に落葉したものと思われます。

加えて受付開始前に降り始めた雨が、次第に強くなっていきます。

更に数メートル先も見えないほどの濃霧!

想定を超える悪条件の連鎖に、言葉を失うスタッフ一同。

それでも何とか安全に開催できないか模索しながら、

準備を進めるしかありません。

悪天候にも関わらず、200名ほどの参加者が次々と来場されています。

そうした状況下、運営はある重要な決断をします。

雨、強風、濃霧、そして落ち葉。

この4つの障害のうち、2つでも開催時間までにクリアできたら、予定どおり開催。

出来なければ中止。

結果、開催時間になっても状況は改善されず、大会は無念の中止に。

重苦しい空気の中、中止宣言と経緯説明を行うスタッフ。

開催直前の中止という異例の事態ではありましたが、

全ては参加者の安全を最優先で下した苦渋の決断に、

最後は拍手が湧き起こっていました。

また、大会会長として挨拶していただいた、

新原よしあけ呉市長自ら参加者に陳謝してくださり、

司会を務めていただいた、広島の朝の声としてお馴染み、

RCC「おはようラジオ」のパーソナリティー、本名正憲さんに、

MCで盛り上げていただき、


ゲストライダーのトークやスポワンガールの笑顔に助けられ、

最低だった会場のテンションは、悪天候を吹き飛ばすほどに上昇していました。

(ゲストライダー 左から、皿谷宏人選手、真嶋伸一郎選手) 

地元特産品の数々が当たるじゃんけん大会は最高に盛り上がり、

会場が笑顔に包まれました。

そして、競技は出来なかったけど、参加記念品のお皿はその場で配られました。

これは地元陶芸家の岩屋工房さんに、大会のために制作いただいた特製です。

雨に濡れた体を、地元で獲れたイノシシ汁で暖める参加者の皆さん。

野呂山の湧水と特産のレモンによる「レモン風呂」も人気でした。

最後に野呂高原ロッジ支配人で大会実行委員長の門野真さんから

野呂山に対する熱い思いと、また来年必ず開催する決意が語られ、

拍手喝采で幕を閉じました。

そんなわけで、記念すべき第一回は幻の大会になってしまいましたが、

地元関係者からボランティアの方々まで、一丸となって取り組めたことは

大きな収穫でした。

何より皆さんの野呂山愛が強い!

そして参加される皆さんの、大会への期待度の大きさにも胸が震える思いでした。

既に実行委員会では反省会を経て、来年に向けての企画を始めています。

次回はよりパワーアップした大会にするために。

地元人気YouTuberでゲストライダーのまーちゃんに、

当日の模様をご自身のチャンネルで紹介していただいてます。

是非ご覧ください。

Information

野呂高原ロッジ

野呂高原ロッジ(外部サイトへ)

呉市川尻町板休5502番37
0823-87-2390