皆さん、こんにちは!
広島県呉市豊町の地域おこし協力隊1年目の斉藤です。 様々なご縁をいただいて、今私は、江戸時代の町並みが残る御手洗(みたらい)というところに住んでいます。
皆さんは、とびしま海道ってご存知ですか?
広島県、瀬戸内といえば、しまなみ海道が有名ですが、そのすぐお隣にある橋でつながった島々です。
7つの島が7つの橋でつながっているとびしま海道は、まるで庭石を跳んでいくようなイメージから、そう名付けられました。
しまなみ海道とはまた違った、素朴さや手つかずの島情緒が魅力的な海道です。
とはいえ、とびしま海道が全て橋でつながって現在の形になったのは、ほんの10年ちょっと前の話。
それぞれの島々には、独特の歴史と文化があり、色とりどりのストーリーがあります。
風光明媚でおだやかな環境。そして住む人も皆さん温かい。
そんなところに住まわせていただき、玄関をあけたらとびしま海道という日常に、日々感動しています。
そんなとびしま海道ですが。キレイな景色と信号もなく交通量も少ないとあって、多くのサイクリストが訪れる場所となっています。
今回は電動レンタサイクル=Eバイクを使って、とびしま海道のサイクリングを楽しんでみたいと思います。
と、意気込んではみたものの、オッサンがひとりでサイクリングしている絵はちょっと微妙かなと思ったので、私の孫娘たちにも一緒に楽しんでもらうことにしました。(>v<)
孫娘!?あんた一体いくつ?という心の声が私には聞こえてきますが、ひとことだけ言うと、早いローテーションの為せる結果です。(笑)
やってきたのは、とびしま海道の一番西側にある下蒲刈島。
広島県呉市から橋でつながった、とびしま海道の玄関口です。
そこにあるコテージ梶ヶ浜で、レンタサイクルが借りられます。
今回お借りするのは、坂道も楽々な、電動アシスト自転車=Eバイク。
バリバリのサイクリストじゃなくても、幅広いサイクリングが楽しめるんです。
自転車の説明を受けて、いざ出発!
1台1台、丁寧に整備されているので安心ですね。
走り出すと、いきなり島情緒たっぷりの風景が広がります。
気温は高いけど、風は爽やか〜〜♪
さすがはEバイク。こんな坂道も全く体力を使わずに上れちゃいます。
少し上るだけで、こんなステキな風景が広がるのも島の魅力ですね!
坂を上って到着したのは、菅原農園ミニヤギ牧場。
ここではヤギさん牧場を無料で見学できるんです。(9時〜17時)
とても人に慣れていておとなしいので、メッチャ癒やされますよ〜♪
有料で農業体験やキャンプなども受付けられていますので、是非チェックしてみて下さい。
ヤギさんたちに別れを告げ、次の目的地へ。
Eバイクのおかげで、鼻歌まじりにスイスイ上ります。
じゃ〜〜ん!どうですか、この景色!
右下には、出発点の梶ヶ浜が見えています。
写真の私の頭の上に、点のように小さな島が見えますか? あれは「ヒクベ」という島なんですが、
美しい空に飛び出していけそうな丘、という意味を島の名前にかけて、飛空美る丘(ひくびるおか)と名付けられました。
夕陽や月見にも最高の場所だったりします。
飛空美る丘から坂を下って三之瀬エリアへ。
ここはかつて、朝鮮通信使や西国大名が寄港する海の関所でした。
現在は多くの美術館や文化施設が立ち並ぶ、とびしま海道でも有数の観光地で、特に朝鮮通信使に関わる資料は、ユネスコ記憶遺産にも登録されています。
そんな中から、今回は白雪楼(はくせつろう)という施設にお邪魔しました。
白雪楼は江戸時代の末、沼隈の豪農、山路機谷が、祖父が京都で営んだ奇好亭を改築し、漢学研鑚の場にしたものです。
その後、交流のあった竹原の頼家に移築され、紆余曲折を経て平成になってから、この三之瀬に移築されました。
一階には可動式の壁があり、現存する建築物としては非常に珍しいものだそうです。
こちらでは、抹茶も振る舞われますよ。和菓子の甘さと抹茶の苦味に、しばし心落ち着くひととき。
そしてこの白雪楼の一番の見所は、二階からの景色です。
天井には酔翁邸記といって、中国のとある地域の長が、風光明媚な邸宅に来賓を招いて酒席を設ける様が書かれた漢詩がびっしり!
実はこれはコピーを貼ったもので、本物は竹原の頼家に非公開で保存されているのだとか。
難しいことはわからなくても、一見の価値があるところですよ。
さて、下蒲刈島から蒲刈大橋を渡って、上蒲刈島に向かいます。
橋を渡ってすぐにある、であいの館は、お食事とお土産のお店。
夏はやっぱりアイスだよね〜♪
塩分とミネラルの補給にもピッタリ。
四国まで見渡せる景色もオススメですよ。
さっき渡ってきた、蒲刈大橋の下をくぐって。
向こうには本土に通じる安芸灘大橋が見えています。
空の青さと、海の青さが素晴らしい、とびしまブルー♪
上蒲刈島を時計回りに、のんびり走ります。
宮盛地区にある、荘厳寺(しょうごんじ)に到着。
室町時代から続く、歴史あるお寺です。
まず目を惹くのが、想像上の動物や天女が所狭しと彫られている立派な山門。
中は非公開ですが、運良く住職さんがいらっしゃれば、特別に見せてもらえることもあります。
まさに荘厳なお寺。
とびしま海道は、海岸線のメイン道路もいいのですが、裏道にも魅力的な風景が隠れています。
ちょうどお昼時になったので、本日の昼食は、「漁師料理かつら亭 蒲刈本店」さんで。
こちらでは宿泊もできるんですよ。
この上蒲刈島は、とびしま海道で最も古い資料が残っている古代の島なんです。
荘園時代には日高荘に属していました。5世紀後半の古墳も見つかっています。
海に面した日高神社の鳥居。
神様は海から鳥の姿でやってきて、この鳥居にとまると言われています。
なので海に面しているのですが、今では参道を外周道路が横切っています。
現在の風景からは、何故道路が参道を横切って、海側に鳥居があるのか不思議に思ってしまいますね。
歴史の古い島なので、様々な伝説も残っています。
日本の初代天皇、神武天皇が東征の際、この蒲刈を通られた、というのが一番古いものでしょうか。
その時に、びっしりと生い茂るガマという植物を刈らせたので、蒲刈という説があります。
ほかにもたくさんあるので、興味のある方は調べてみて下さいね。
今見えている美しい風景の中をサイクリングしながら、島のストーリーにも思いを馳せると、グッと旅に深みが増しますね〜。
そうこうしているうちに、本日のゴール、県民の浜に到着です。
こちらは宿泊施設やレストラン、マリンアクティビティーなどが充実する、とびしま海道最大の観光レジャー施設です。
レンタサイクルも追加料金を払って、ここで乗り捨てられます。
県民の浜ビーチは、日本の渚100選に登録されている、美しい白砂青松の海岸です。
サイクリングで汗をかいたあとは、海へドボーン!
真夏の島サイクリングは、良い夏休みの思い出になったことでしょう。
とびしま海道レンタサイクル
呉市下蒲刈町下島839-16
TEL 080-2927-2504
とびしま海道レンタサイクル(外部リンク)
白雪楼
呉市下蒲刈町三之瀬197
TEL 0823-65-3066
白雪楼(外部リンク)
であいの館 蒲刈
呉市蒲刈町向字西脇985-1
TEL 082-368-0120
であいの館 蒲刈(外部リンク)
漁師料理 かつら亭 蒲刈本店
呉市蒲刈町宮盛2032-1
TEL 0823-66-0114
漁師料理 かつら亭(外部リンク)